〜理科の成績を上げたい人のページ〜
1.問題を解いていれば伸びると思っている
理科どこまで覚えれば良いのか判断が難しい科目だと思われるためか、とりあえず問題量を増やそうとする人が多いようです。
確かに問題を数多くこなすことは有意義なことです。
ただし、問題を作業的にこなしていても、以外に知識や理解は残らないことが多いものです。
記憶や理解は、以下のようにすると効率的に身につくものなのです。
記憶は、ある程度間をおいて4回反復すると定着します。
たとえば、5年の夏、冬、春、そして6年の夏休み、といった具合です。
やみくもに勉強するのではなく、計画的に勉強することです。
理解は、お子さんが自分の言葉で原理を説明できるようになれることが必要です。
問題を正解していても、理解があいまいだと、本番でぼろが出ます。
受験の出題者は正確な知識と理解を求めて問題を作成するので、こなした問題量がいかに多くても、自分勝手な考え方 で通してしまう生徒はいとも簡単に引っかかってしまいます。
こなす問題量は適度にし、正確な知識と理解を身につけていってほしいと思います。
2.不得意単元があってもいいと思っている
受験は合格最低点をとるかどうかを競うものです。
得意な単元で点を稼げばいいと思っている人が少なからずいるようです。
満点をとる必要はないのだから、「取れるところを確実に」という考えは一見正しいように思えるかもしれません。
しかし理科に関しては、単元自体が算数や社会ほど多くないので、この考えは危険です。
理科のテストの目的は、受験生がどのくらい正確な知識と理解を身につけているかをみることです。
そして、学習内容がそれほど多くない以上、すてる単元はつくれません。
誤解のないようにいえば、広く浅くまんべんなく勉強するのが理科なのです。
算数ならば、二進法やニュートン算など、志望校によっては捨てることもできます。
社会に関しても、ほぼ出ない箇所を予想することはできます。
しかし理科に関しては、それは危険だといえます。
理科こそ、もっとも弱点分野を克服することが必要な科目なのです。
3.自分の考え方を変えられない
私の教え子には、理科の偏差値を半年で20も上げた生徒がいます。
たとえば去年の4月に指導をはじめたとき偏差値が41だったSさん(日能研に通塾)が、半年後の10月に62(センター模試)をとりました。
しかし、この生徒に特別な才能があったとは思えません。
特別な受験テクニックを教えたというわけでもないのです。
ただ一つ考えられることはSさんが、素直で真面目な生徒であったことです。
ここで言う素直で真面目とは、「教わったことを信じて実行しつづける」という意味です。
そもそも「学ぶ」とは「まねる」から派生した言葉なのです。
理科が苦手なお子さんに共通するのは、自分の考えにこだわる子です。
理科の成績を上げる近道は「自己流の解き方を捨てる」ことです。
成績を順調に伸ばしている子は、柔軟性があり、虚心坦懐に問題に取り組める子なのです。
理科が苦手なお子さんに訊いてみてください。
「いままで自己流でやってきて、成績は上がっていますか?」
「うまくいかないやり方を、ずっと続ける理由は何ですか?」
新たなやり方を身につけるのが面倒くさいというのが、その理由でしょう。
あるいは、本気で中学受験に取り組んでいない、向上心のない子だからでしょう。
自分のスタイルを変えようとしない頑固さは中学受験においては「百害あって一利無し」なのです。
4.すぐに結果を求める
すぐに結果を求め、良い結果が出ないとやる気をなくす子が少なからずいます。
偏差値は株価ではありません。
その動向にいちいち一喜一憂してはいけません。
「模試の結果は良くて良し、悪くてさらに良し」なのです。
結果が悪いのは、入試までにその弱点を克服するようにと教えてもらっているのですから。
「本番前にそれに気づかせてもらえてありがたい」と受けとめることです。
模試は練習試合にすぎないのです。
そこから何かを学ぶことが重要なのです。
理科は根本原理を正確に理解することが不可欠な分、根気のいる科目です。
多くの知識を詰め込む必要もあります。
私の経験では理科ができるようになるには、集中して訓練してだいたい半年かかります。
目先の成績にとらわれず、教わった通りのことをコツコツとこなし、時期を待ってほしいと思います。
できるだけ早くその時期が来るように指導していくのが私ども家庭教師の役割なのです。
そして、その時までお子さんと親御さんが辛抱できるかが重要です。
前述のSさんは何度か挫折しかけながらも、入試直前まで偏差値60をキープし、見事に鴎友学園女子中学に合格しました。
最後まで忍耐力を維持しました。
それは今後の人生の支えになるでしょう。
すぐに結果を求めたり、あきらめたりする人は何も得られないのです。